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第1480回例会 卓話「御渡りと気候変動」(2025年11月10日)

  • 執筆者の写真: Kazutoshi Fujimori
    Kazutoshi Fujimori
  • 2025年11月10日
  • 読了時間: 3分

講師:八剱神社宮司 宮坂 清様


〈映画〉

 地球温暖化をテーマにしたグリンピースジャパン制作

の短編映画「御渡り」が2024年2月タイ・バンコクで開

催の第4回国際映画祭でグランプリを受賞。気候変動に

よる地球への影響。大干ばつ・森林火災・洪水・氷河崩

壊・海面上昇による島の沈没・農作物・生態系の変化、

危機。地球はどうなる。

ニューヨークタイムズ・国際気候変動的王学会で取り上

げられる地球の温暖化。


〈御渡りと日本人の自然観〉

 諏訪湖の自然現象御渡り。諏訪明神の渡った跡と見ていにしえ人は畏怖畏敬の念をもって受け止め、記録に留めた。自然現象を神のなせる業、御渡りは聖地のあり方を象徴する。自然と共に生きる日本人は土・火・光・水を恵みと恐れを抱き大地の変化に敏感。風・雲・芽吹・巨石・巨木・山・原・池・湖・瀧を聖なるものとみた。

〈子供のころの諏訪湖〉

 柳、葦原の湖岸。親水の湖。御渡りの神秘。氷の音・スケート・氷上漁業。(昭和45年頃)

昭和60年2月3日、父宮司の御渡り拝観式に初参列、翌年から自分が奉仕する指針となる。

〈御渡り拝観式〉

 拝観式用の注連縄を神社の齋田で収穫した葦で年末に綯う。小寒から節分まで諏訪湖観察。早朝、時間の経過につれ変化する自然の姿に感動する。水温・気温・氷の厚さ・風速・しぶき着氷・氷の鳴く音など観察。氷と朝陽に参加者感動。下座・上座の地点の確認、御参会の場所を確認(一之御渡りと佐久之御渡りの交差する所)八剱神社の戻り御神前に拝観奉告祭、古記録・古絵図を参照して豊凶の予測をする。

〈御渡りの記録〉

 当社神幸記(1443 ~ 1681)・御渡帳、湖上御渡注進録(1683 ~現在)―583年に亘る世界にも稀。三本の御渡りの下座・上座場所。その年の災害や天候、神社や高島藩の特記事項、経済的な記述、自然災害や困ったことなど、必死に命をつないてきた先人の生きた証そのものの記録。

浅間山の大焼(鎮火)―1709年、天明の飢饉・高島藩主の対応・満水(洪水)・雨乞・飛行機が降りたなど。

墨書の文字は残る。御渡拝見役、記録は半農半漁村の小和田の先祖、氏子の勤め。

〈明けの海〉

 結氷しない海、御渡が顕われない諏訪湖を「明けの海」という。

 1600年までは50年に1度、1950年までは10年に1度の割合で明けの海。1970年以降急激に明けの海が増え、2001年以降は18回と顕著。夏は暑く、冬は寒い。寒くなれば諏訪湖は結氷し御渡りが顕われる。これが自然の摂理。御渡りの現れたことにより本格的な冬の到来を感じ、春を迎える心構えができる。明けの海に感じる不安。

〈百年後の子孫に〉

 日本人は自然に寄り添って生きている。近年は自然との関りが薄くなっている。令和の今はとても便利な世の中で、食べ物や情報は簡単に手に入る。しかし、人間の絆、人と人との関わり、コミュニティーの形成、伝統文化の継承はスイッチひとつで起こりうるものではない。風土を知ることが大事である。川・湖岸の整備、ゴミ拾いから始めよう。

 大自然をよく見る、湖に聞く。先祖が積み重ねてきた伝統文化を見極めどうあるべきか考える。結氷しない諏訪湖が人間に警鐘を鳴らしている。 

 
 
 

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